2010年04月01日

時効を問い直した足利事件 廃止の流れ進む(産経新聞)

 「足利事件」の再審公判は、冤罪(えんざい)をめぐる問題だけではなく、「時効」についても改めて問い直す契機となった。菅家利和さん(63)の無罪は真犯人の存在を示しているが、菅家さんが犯人とされてきた女児殺害事件はすでに時効が成立し、真犯人を発見しても刑事罰に問えないからだ。

 「時効になってしまったかもしれないが、絶対に許せない。真犯人に時効があってはならない」。昨年6月、釈放された菅家さんは会見で声を震わせた。

 当時、菅家さんが逮捕された別の女児殺害事件の被害者も「事件はまだ解決していない」と話す。しかし、事件はすでに時効を迎えている。

 平成17年1月施行の改正刑事訴訟法では、殺人など最高刑が死刑に当たる罪の時効が25年に延長された。それでも、時効の壁は被害者や遺族の前に冷たく立ちはだかってきた。

 昨年2月、「世田谷一家殺害事件」の遺族ら未解決殺人事件で肉親を奪われた遺族を中心に「殺人事件被害者遺族の会(宙(そら)の会)」が結成され、殺人事件の時効廃止を訴えてきた。

 政府は昨年、法務省内に勉強会を設置し、時効の見直しを検討。民主党政権でもその流れは受け継がれ、今月12日には、凶悪重大事件の時効を見直す刑事訴訟法改正案を閣議決定。今国会での成立を目指している。

 改正案では、人を死なせた罪のうち、殺人など最高刑が死刑の罪は時効を廃止し、懲役・禁固の罪は一部を除き期間を2倍に延長する。過去に発生した事件でも、施行時点で時効が未成立なら適用される。

 ただ、長期の捜査の末に起訴された場合、証拠の劣化や事件関係者の記憶の消失が進み、裁判での立証が困難になることや、捜査の長期化によって増大する“コスト”の問題などを指摘する声もある。

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2010年03月31日

<商店街火災>「中島廉売」で全盲写真家がイベント 函館(毎日新聞)

 全盲の写真家、大平啓朗(ひろあき)さん(30)が26、27の2日間、火災が起きた北海道函館市の商店街「中島廉売(れんばい)」でチャリティーイベントを開く。大平さんの講演やミュージシャンのライブなどで募金を集め、店舗の復旧などに充てられる。商店街の野菜を使った料理なども安く振る舞われる。

 上川管内下川町出身の大平さんは山形大理学部大学院に在籍中だった03年、毒性の強いメタノールを誤って飲み意識不明の重体に。3日間、生死の境をさまよい意識が戻ったときは失明していた。

 子供のころから好きだったカメラを手に日本縦断の旅に出たのが09年6月。匂(にお)いや風を頼りにシャッターを切り、知り合った人の家に泊まった。夜は旅の話を肴(さかな)に好きな酒を酌み交わしたという。「目が見えないことは交流の障害にはならないと分かった」。今年3月からは旅を一時中断し、知り合いのいる函館で身体障害者への理解を深めようと講演会などを行っている。

 1934(昭和9)年の函館大火で焼け出された露店商たちによって始められたとされる中島廉売は、地元の人に親しまれてきた商店街。4店舗が焼損した16日夜の火災で、市は改修を検討しているが、「商店がひしめき合う懐かしい長屋がなくなる」と店主らは心配する。そのため大平さんは「チャリティーで人が集まれば商店街が明るくなる」と意気込む。問い合わせは実行委員会(0138・51・0026)。【佐藤心哉】

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2010年03月30日

世界保健デー今年は“神戸発” 史上初、本部以外が企画運営(産経新聞)

 「世界保健デー」(4月7日)の関連イベントの企画・運営を、今年は史上初めて、世界保健機関(WHO)本部ではなく、付属機関の一つであるWHO神戸センター(神戸市中央区)が担うことになった。「進行する都市化と健康を考える」という神戸からの提案をWHO本部が評価、世界中の関連イベントの“音頭取り”という大役を任せられた。健康をテーマにした日本初のメッセージが、広く世界に届けられる。

 イベントには米サンフランシスコや豪州メルボルンなどの大都市がすでに参加を表明している。ただ、国内では大都市と呼べる自治体の参加はごく少数で、同センターは「日本から情報を発信するチャンス。ぜひ参加を」と呼びかけている。

 世界保健デーは、WHOの憲章が効力を発した日を記念し、1948(昭和23)年に設けられた。世界の健康増進を目的に、毎年異なったテーマを設け、4月7日を中心とした期間に世界中でイベントを開催している。

 神戸センターによると、例年は各支部や付属機関が提示したテーマに沿ってWHO本部がイベントを企画するが、今年は、同センターが提案した「都市化と健康」が重要なテーマだと評価された。さらに、企画・運営能力もあると判断されたことから、付属機関でありながら初めてイベントを担うことになったという。

 今年の取り組みは、大気汚染や産業廃棄物、喫煙、運動不足など、都市化の拡大によってもたらされるあらゆる健康被害の解消が主眼。同センターは「1000都市・1000人の参加」と題し、世界各都市で歩行者天国を設けての健康イベントや、健康改善活動に貢献した市民をビデオで紹介するなどのイベントを企画した。

 27日時点で、サンフランシスコやメルボルン、タイ・バンコク、メキシコシティー、トルコ・イスタンブールといった大都市など約450都市が参加を表明。これに対し、日本では新潟市や西宮市など19都市がエントリーしているが、大都市と呼べそうなのはおひざ元の神戸市や政令指定都市の静岡市ぐらいしかない。

 神戸センターのジェイコブ・クマレサン所長は「日本は健康問題は国の所管ととらえるが、住民生活のことを考えると地方行政の課題ともいえる。ぜひ多くの都市が参加してほしい」と呼びかけている。

 ■世界保健機関(WHO) 「すべての人々が最高の健康水準に到達すること」を目的として1948(昭和23)年に設立された国際機関。スイス・ジュネーブに本部があり、193カ国・地域が加盟する。がん研究機関(フランス)や感染症センター(同)など世界に9つの連絡・付属機関があり、神戸センターはそのうちの一つで「健康開発」を担当している。

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